子ども歯ならび予防矯正『プレオルソ』


【こども歯ならび矯正
  (プレオルソ)】
・やわらかいシリコン製の      
   マウスピース型の矯正装置です。
・口の中に入れるだけの矯正治療。  
     取り外しも自由にできます。


当院では、こども矯正(3~10歳の時期に行う矯正、最適な年齢は6~7歳です)である『プレオルソ』を導入しました。「歯ならび・咬み合わせの改善」、「お口ポカンの改善」、「口呼吸から鼻呼吸へ」、「舌の正しい位置、正しい嚥下の獲得」を目的とした矯正法になります。『100年以上前から使用され続けている実績ある矯正装置』をシリコン製にした痛みがほとんどない矯正装置』になります。
 
あいうべ体操』も並行して行うと治療効果がさらに上がります。
1日30回以上を目指します。


※舌の正しい位置は、舌の先端が『上の前歯の裏側の歯茎(=スポット)』が当たります。舌の先端は、前歯に当たりません。寝ている時も、舌の先端は『上の前歯の裏側の歯茎(=スポット)』にないといけません。


※正しい飲み込み方は、舌をスポットに当てた状態で、舌の中央 → 後方を上顎につけることにより飲み込みます。この時、口を閉じて、奥歯は軽く咬み合わさります。舌を前歯に当ててはいけません。
舌の先端は、常にスポットに当てます。


・舌がどこにも当たらない
      ➡ 歯列が狭窄します。       

・舌が歯に当たる     
   ➡開咬・上顎前突になりやすい。





1.【『プレオルソ』の目的】


舌の先端は、『上の前歯の裏側の歯茎』
つけます。
この場所を『スポット』と呼びます。



『口を閉じる』『鼻呼吸』『舌の正しい位置』『正しい嚥下』を習得することです。

 ・口を閉じる。
  (お口ポカンで、出っ歯になる)
 
 ・鼻呼吸。
  (口呼吸すると顎の成長が減少)
 
 ・舌の正しい位置の習得。
  (舌の先端を
    上の前歯の裏側の歯茎につける)
 
 ・『正しい飲み込み方』の習得。
  (舌全体を上あごにつける、
          前歯に当てない)


2.【『プレオルソ』の特徴】
①ポリウレタン製のやわらかい素材なので
 、痛みがほとんどありません。
やわらかいシリコン製なので
痛みが出にくいです。

②食事やブラッシングの時に、外せるので
 むし歯の心配がありません。
いつでも取り出せます。

③『歯ならび』だけでなく、口周りの筋肉
 (舌を含む)の機能も改善できます。
『歯ならび』、『舌・口周りの筋肉』
にも効果があります。

④『家にいる時(1時間以上)』と『寝る
 時』だけ装着します。
『昼間1時間』と『夜、寝ている時』に
装着すれば大丈夫です。
(寝ている時は、口にテープを付けて頂きます

⑤学校に持っていく必要がありません。
いつも家に置いてください。

⑥『大人の歯』に生え変わる前に
 行う早期の予防矯正です。
早期に行うことで、効果も上がります。

⑦この治療のために、歯を抜く必要はあり
 ません。
歯は抜きません。

適応年齢は3~10歳で、最適な年齢は
 6~7歳です。
適応年齢は3~10歳です。

治療期間は、約2年間です。
 個人差があります。
治療期間は約2年間です。

治療効果が表れるのに、約1年
 かかります。個人差があります。
効果を実感するのに約1年かかります。

⑪『本格的な矯正(「大人の歯」が生えそ
 ろってから行う)』の前段階の治療とし
 ても有効です。
『本格矯正』の前処置としても
プレオルソは有効です。

⑫鼻炎や嘔吐反射があっても装着可能です。


3.【治療効果のある咬み合わせ】


 
4.【『プレオルソ』とは】
 『プレオルソ』は、「歯を直接動かす」のではなく、歯ならびを悪くしている原因(口の周りの筋肉、舌の位置)を改善させることで、「間接的に歯ならびを矯正」させる装置です。
 歯は、「舌・頬・唇の筋肉」のバランスに合わせて、並んでいきます。この「舌・頬・唇の筋肉」のバランスが悪ければ、歯ならびは悪くなります。『プレオルソ』は、「舌・頬・唇の筋肉」のバランスを正しく調整しながら、理想の歯ならびに自然に並ぶようにします。
『くちびるの圧力』、『ほっぺの圧力』
を排除し、上あごの成長を促します。
歯のスペース不足を解消します。

・『プレオルソ』をつけたら、      
   口を閉じましょう。
・おしゃべりする時は、口を開けてもOK。



5.【あいうべ体操 や その他の運動】
 ・【あいうべ体操】
プレオルソの治療をより効果的なものにするために、『あいうべ体操』も並行して実施していただきます。『あいうべ体操』は、みらいクリニック院長・内科医 今井一彰先生が考案された体操です。
 ・口周りの筋肉と舌を鍛えます。
 ・1日に30回を目安に続けると効果があります。
①『あー』と口を縦の楕円形にし、
喉の奥が見えるくらい開ける。

②『いー』と口を横に開ける。
頬の筋肉が顔の端による。
 首に筋が出るくらい。

③『うー』と口を強く前に突き出す。
口を閉じる練習です。
口周りの筋肉を鍛えます。

④『ベー』と舌を突き出して下に伸ばす。
顎先まで伸ばすつもりでします。

1日30回以上を目指します。
この体操は、年齢に関係なく効果があります。


  ・【ポッピング】
舌の先端は、『上の前歯の裏側の歯茎』
つけます。
この場所を『スポット』と呼びます。
舌の正しい位置をおぼえるためのトレーニングです。舌の先端をスポット(上の前歯の裏側の歯茎)につけたまま、舌全体を上顎に吸い上げます。最後に思い切り舌を上顎から放し『ポン』と鳴らします。これが『ポッピングです。』1日30回を目標にします。


  ・【オープン&クローズ】
舌の筋肉を鍛えるのが目的です。舌の先端をスポット(上の前歯の裏側の歯茎)につけたまま、舌を上顎の天井に吸いつけたます。吸いつけた状態で、口を開けたり、咬んだりを繰り返す。咬んだ時も唇を開けたままにすること。舌を持ち上げる力を強くします。1日15回を目標にします。


  ・【タングドラッグ】
舌の筋肉を鍛えるのが目的です。舌の先は、スポットに当てて、舌全体を上顎に吸い上げます。口を開けたまま舌全体が上顎をなぞるように喉の方にゆっくりずらしていきます。ゆっくりする方が効果的です。1日5回を目標にしましょう。


  ・【スラープ&スワロー】
ストローとスプレーを用意します。

正しい飲み込み方の練習です。『水の入ったスプレー』と『ストロー』を用意してください。舌の先端をスポット(上の前歯の裏側の歯茎)につけて舌全体を上顎に吸い付けます。上の糸切り歯の後ろにストローを置いて、舌の裏側に当てます。そのまま軽く歯を咬み合わせます。
スプレーで口の横から奥歯に向かって水を吹き入れ、音を立てて水を吸い込みます。
後ろに水を集めたら、奥歯を咬んだままゴクンと飲み込みます。これを左右交互に5回ずつ繰り返します。正しい飲み込み方は唇を軽く閉じていますが、この練習では唇を開けた状態で行います。


  ・【ボタンプル】
直径3cmのボタンと50cm程度のヒモを結びます。
前、右、左の3方向に、それぞれ10秒×5回引っ張ります。
直径3cmのボタンに50cmの紐を結びます。ボタンを唇と前歯にはさみます。前・右・左の3方向にヒモを引っ張り、ボタンが口から飛び出ないように唇を閉じます。前・右・左の3方向それぞれ10秒×5回行う。



6.【姿勢の重要性】
顎を少し引くと、舌の先端をスポットにつけやすくなります。
顎を少し引くと、舌の先端をスポット(上の前歯の後ろの歯茎)につけやすくなり、鼻呼吸を促します。歯並びにおいて姿勢もかなり重要なことです。
・視線は真っすぐ前を見ます。
・顎を少し引きましょう。
・耳・肩・くるぶし辺りが真っすぐになるように立ちます。
・足指を全て床につけます。
・座っているときも足指を全て床につけます。



7.【『プレオルソ』の機能紹介】

①「タングアッププレート」に舌を乗せることにより舌をトレーニングします。
②「オーバージェット付与」により「上の歯が下の歯を少しおおう咬み合わせ」に誘導します。
③「リップバンパー」により「過大な口唇圧」を排除し、歯列拡大を誘導します。
④「サイドバンパー・バッカルシールド」により「過大な頬圧」を排除し、歯列拡大を誘導します。
⑤さらに歯列拡大を誘導するために、歯医者さんで『プレオルソ』自体を大きくすることが可能です。



8.【『プレオルソ』の種類】
プレオルソには、3種類(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)あります。

①タイプⅠ(ワン)
上顎前突・叢生・過蓋咬合に使用します。
サイズは、ロング> S(エス)> SS(エスエス)。
硬さは、ソフト・ハードがあります。

上記の咬み合わせに使用します。

サイズ硬さ説明
ロングハード7番まで覆う
(10歳以上)  ことが可能
S(エス)ソフト装着しやすい
(6~10歳)ハード効果が出やすい
SS(エスエス)ソフト装着しやすい
(6歳未満)ハード効果が出やすい
年齢は単なる目安です。
基本的には、『ソフト』から始めます。
2年目から『ハード』に移行します。
7番とは、12歳前後で萌出する歯です。


②タイプⅡ(ツー)
開咬に使用します。
前方部に穴が開いているのが特徴です。
サイズは、N(ノーマル)のみです。
硬さは、ハードのみです。

上記の咬み合わせに使用します。

サイズ硬さ説明
N(ノーマル)ハード効果が出やすい
年齢は単なる目安です。
基本的には、『ソフト』から始めます。
2年目から『ハード』に移行します。


③タイプⅢ(スリー)
反対咬合に使用します。
サイズは、N(ノーマル)> S(エス)。
硬さは、ソフト・ハードのみです。

上記の咬み合わせに使用します。

サイズ硬さ説明
N(ノーマル)ハード効果が出やすい
(10歳以上)
S(エス)ソフト装着しやすい
(6~10歳)ハード効果が出やすい
年齢は単なる目安です。
基本的には、『ソフト』から始めます。
2年目から『ハード』に移行します。


9.【治療の流れ】
 
相談 ⇒ 診査 ⇒ 診断
診査:レントゲン撮影、上下の歯の型取り、顔写真・口の中の写真撮影、問診表の記入、『あいうべ体操』の説明。
診断:前回診査の結果説明、『プレオルソ』のお渡し。
 
その後は、毎月1回来院して頂きます。
『記録用紙』と『プレオルソ』は毎月持参して頂きます。


10.【料金】 
★価格は年間3万9000円(税込)になります。
  2年目以降はさらに割引します

11歳以上の方は、治療効果が少し弱くなる為、1年目より割引します。)

『プレオルソ』紛失時は、1回につき
1万2000円(税込)頂きます


11.Q&A集
Q.『プレオルソ』が大きくて口に入りません。どうすればよいですか?
A.『プレオルソ』はやわらかい素材で、弾力もあります。プレオルソを曲げて小さくすると口に装着しやすいです。『プレオルソ』には、上と下があります。間違えないようにしてください。
曲げると口の中に入りやすいです。

Q.『プレオルソ』を口に入れると苦しいです。どうすればよいですか?
A.最初から完璧にする必要はありません。無理をせずに少しずつ慣らしていきましょう。毎日、前の日より少しだけ長く使えるように意識してみてください。日中は何か好きなことをしながらの使用もオススメです。


Q.ヨダレがたくさん出ます。どうすればよいですか?
A.『プレオルソ』を装着すると、お口の中が刺激されてヨダレが出やすくなります。特に使い始めてしばらくはたくさん出ることが多いです。落ち着いてくるまでは、タオルなどを用意しておくことをオススメします。慣れてくると『プレオルソ』をつけたまま自然に飲み込めるようになります。この飲み込む動作もトレーニングになってます。

Q.『プレオルソ』をつけたら、口を閉じないといけないのに、しゃべるのはいいのでしょうか?しゃべると口が開いてしまいます。どうなんでしょうか?
A.『プレオルソ』を装着したら、口を閉じましょう。口を閉じると、矯正の力が働きます。口を「ポカーン」と開けると、矯正の力が働きません。ただし、しゃべる時は、例外で、口が開いても大丈夫です。しゃべる時には口の周りの筋肉をたくさん使います。口の周りの筋肉を鍛えることは矯正にはとても良いことだからです。
・『プレオルソ』をつけたら、      
   口を閉じましょう。
・おしゃべりする時は、口を開けてもOK。

  
装着した時に、歯がはみ出してはいけません。
はみ出すと、矯正の力がかかりません。
注意してください。
  
Q.朝、歯が浮いたような感じがします。どうすればよいですか?
A.この感覚は、まさに「歯ならび」が変化し始めているサインです。ぜひ、今まで頑張ってきたことを褒めてあげてください。『プレオルソ』を外してしばらくすると気にならなくなることがほとんどです。

Q.『プレオルソ』の色が変わってきました。どうすれば良いですか?
A.毎日頑張って使っていただくと、必ず「色あせ」が徐々に起こります。毎日、コツコツ頑張った証拠です。褒めてあげてください。今まで同様に水や中性洗剤で洗って乾燥して頂ければ大丈夫です。少し色が変化しても効果は変わりませんので、心配ありません。
1年使用でこのくらい変色します。
個人差があります。

Q.きちんと使えているか不安です。どうすればよいですか?
A.矯正治療は1日で大きく変化するものではないので、何だか不安になることがあります。「歯ならび」は1人1人違いますし、慣れるまでの早さも個人差がありますから、焦る必要はありません。大切な事は、お子さんとお家の方が力を合わせて、歯医者さんと一緒に「続ける」ことです。
※最初の段階では前歯にやや痛みを感じることがあります。その場合は、使用時間を減らし、痛みがなくなりましたら、通常の使用時間に戻してください。

Q.夜つけても、朝には外れています。どうすればよいですか?
A.身体が慣れるまでには時間がかかります。まずは、「日中の装着時間」を1分でも長くしてください。目標は60分です。「日中の装着時間」が長くなれば長くなるほど、寝ている間に外れにくくなります。

Q.夜、ずっとつけることができるようになったら、昼はしなくてもいいでしょうか?
A.「日中の装着時間」も、とても重要です。大変ですけど、続けてください。何か好きなことをしながらの使用で構いません。

Q.一生懸命がんばっているのに、「歯ならび」がなかなか良くなりません。どうすれば良いのでしょうか?
A.効果を実感するのに、約1年かかります。個人差があります。時間がかかりますが、毎日少しずつ良くなりますので、毎日コツコツ続けてください。

Q.治療期間は、どのくらいでしょうか?
A.治療期間は、約2年です。個人差があります。1年目では、『プレオルソ』に慣れること、悪習癖(鼻呼吸、頬杖など)の改善、「歯ならび」の改善を目標にします。2年目では、『ちょっと硬いプレオルソ』を使用し、効果をさらに上げることを目標にします。

Q.歯を個別に動かすことはできますか?
A.歯を個別に動かすことはできません。顎の成長を促し、歯が並ぶスペースを確保します。口の周りの筋肉・舌を鍛え、舌の正しい位置を習得することにより歯が正しい位置に並ぶように促していきます。



12.【まとめ】
この矯正法は、成長後に行う『本格矯正』のようなゴールを目指す治療方法ではありませんが、「こどもの時期」にお口の中と周囲の環境を整え、健康的な「歯ならび」と「口元」を目指します。将来的に本格矯正を希望される場合でも「矯正の為の抜歯」や「後戻り」を防ぐことができる可能性が高くなります。