歯の脱落時 対処法

(転倒などによる歯の脱落時の対処法)


①転倒などにより、歯が脱落した場合、まず脱落した歯を探しましょう。

②脱落した歯を持つときは「歯の頭」の方を持ちましょう
 絶対に「歯の根」の方は持ってはいけません。
 脱落した歯の根には「歯根膜(しこんまく)」という膜がくっついています。この歯根膜(しこんまく)を除去してはいけません。この歯根膜(しこんまく)が生きていれば、歯を元の位置に戻した時に骨とまたくっつくことができます。この歯根膜(しこんまく)がないと、2度と骨と歯はくっつきません。歯根膜(しこんまく)はほとんど再生しません。この歯根膜(しこんまく)を死守することができれば、脱落した歯を助けることができます。





③歯が汚れていても、水道水で洗うのは3秒以内にしましょう。水道水によって歯根膜(しこんまく)が死んでしまうからです。石鹸や化学薬品も使ってはいけません。



④脱落した歯が汚れていなければ、出来るだけ速やかに歯を元の位置に戻しましょう。

⑤歯を元の位置に戻せない場合、「牛乳」、「専用の保存液」、口の中」に保存しましょう。歯根膜(しこんまく)は、乾燥すると死んでしまうからです。



⑥できるだけ早く歯科医院に行きましょう。
 理想的には脱落してから30分以内がベストです。
 1時間経過しても諦めずに歯科医院に行きましょう。


※歯根膜(しこんまく)
歯と骨は直接くっついていません。
実は、この歯の根を覆う「歯根膜(しこんまく)」によって骨と間接的にくっついています。歯根膜は再生能力が低く、繊細な組織です。脱落した歯を元の位置に戻してくっついてくれるかどうかは、この歯根膜(しこんまく)の生存にかかっています。


<その他の注意点>

・転倒時に顔をぶつけないように、手をポケットに入れて歩くのはやめましょう。
手をポケットに入れて歩かないようにしましょう。



・歯の中には神経と血管が入っています。脱落時には、神経と血管が必ず切断されます。歯の根が完成していると、脱落した歯を元に戻しても歯の中の神経と血管は死んでしまう可能性が高いです。
 歯の神経が死んでしまうと、10~14日後に歯茎が腫れたり痛みが出ます。
 その場合、神経と血管があった所をきれいにする処置(感染根管治療:かんせんこんかんちりょう)を行う必要があります。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
                   
このページの全ての文章・イラストは2018年12月26日に「しまのうち歯科」院長・松田が作成しました。